AOPA-JAPAN Fly In

韓国(RKSS:金浦空港)フライイン記
          AOPA-JAPAN ホンダ JA4128 箱崎 順之

 せっかく自家用機で飛ぶならば、絶対遠くまで飛ぶべきだろう。
 そんな遠くへ行きたい症候群の私にぴったりのお誘いがあり、9月18日より2泊3日というタイトスケジュールではあるが、3機限定+国際フライト未経験者優先という韓国金浦空港へのフライインに参加することになった。
 AOPAの韓国フライインはAOPA-KOREA李会長の並々ならぬご尽力のおかげで、毎回成功裡に終わっているという。
 今回、韓国フライトの経験者であり実行委員の西村氏から事前にメール配信されたチャート類や細かいアドバイスのおかげで、不安無く臨むことが出来た。
 特に海外フライトの場合、事前の段取りや準備で苦労することなく参加できるAOPAのフライインは本当に有り難く、まさに「何事も先達はあらまほしきものなり。」
 さて、今回の起点である北九州空港は、前回フライイン起点の福岡空港に比べて、CIQやクリアランスの待機時間が短いという実情から企画委員会で選ばれた。
 国際線が就航しているのでCIQが可能であり、その割にトラフィックが少なく自由度が高いのでGAの海外フライトにはうってつけだが、今回の実現までには、同空港をベースとする藤瀬会員の陰のご苦労があったようだ。
 9 / 17夕方、北九州空港に結集した参加メンバーは総勢12名。ブリーフィング後は後方支援部隊を交えて、日米英3カ国のクルーが参加する国際色豊かな大宴会となった。
 翌朝のCIQはあっという間に手続完了。先行機は冨岡フライトリーダー率いる柳川会員のJA 3357ボナンザ。続いてJA3580アローの石塚機、そして私のJA4128アローの順だ。  対馬上空で高度8 . 000 ftのクリアランスをもらうZプランで3機が5 分間隔でT/O、金浦空港まで338nmのAIR-WAY上に並んだ。
 良好な天気に恵まれ、対馬を眼下に過ぎ空の国境であるAPERAでインチョンCONT. にハンドオフされると、前方に釜山の街が見えてきた。
 海外フライトは積年の夢というほどではないが、私にとって始めて自分で操縦桿を握って訪れた釜山港の景色は、忘れられないものとなった。
 ところで、IFRでのフライトは地上での事前の準備でほとんど決まると言われるが、今回ナブログの片隅には「こんにちは・さようなら・どうもありがとう」訳の韓国語を印字しておいた。
 無論これは韓国内のATCを意識したものだが、自分を有利に導く足しになるかもしれない、というこんな下心も、フライトの極意だと思う。
 高度によってACCの周波数が違うことに感心しながら、金浦に向けて次々とハンドオフされてゆく。
 サブにセットした121.5MHzから時折聞こえてくるアラーム音や、空軍とおぼしき韓国語のATCからも、海外フライトを実感する。
 やがてT/O後1 時間半ほどで、仁川や金甫がらみのトラフィックが増えてきたらしく、西へ東へとベクターされ始めた。最後はILS DME Y RWY14Rのfinalに誘導、何事もなく滑走路に滑り込み「JA 4128 contact GND」。
 実は今回、前回フライインの参加者、後藤会員からのアドバイスで、「GNDの女性は怒っているような早口で、何を言っているか分からない」事を覚悟していたのだが、まぁ何とかなるだろうとノーテンキに考えていた。
 いよいよ、くだんの女性コントローラーの登場。が何故か予想に反して指示内容も語気も超優しい。日本語で言えば「そこを右に曲がった所がアナタのSPOTですよ~♪」みたいな。
 (ええぇ~??チョー優しいじゃんか・・・)マイクの向こうにチェジウ様の顔が浮かんだ。
 李会長のお出迎えの後、駐機場所からターミナルビル迄は貸切バスで12名が移動だ。
 なかなかセレブな気分だが、入国審査の係官にはガルフストリームで到着したご一行様に見えたかも、四つ星並にデラックスなビジネスホテルに到着昼食、その後は自由行動、夜は焼き肉屋で宴会。
 このパターンであっという間に1日が終わる。 
 夜の焼き肉ハンガートークでは、冨岡リーダーの『本当にあった恐いフライト』など、稲川淳二の怪談より恐い。AOPAのフライインは単にフライトを楽し むだけでなく、このような経験豊富な諸先輩(ネタの宝庫)の話を聞くことが出来るチャンスでもあると思う。
 昼間のソウルでは円高に乗ったショッピング、夜はカジノバーに岩盤浴、垢すりにプチ整形とソウルの街は何でもありありだ。
 かくしてソウルの夜は更けていき、ネオンの街に消えてゆくクルー達。
 翌日、他意のあるサービスを受けることもなく健全な夜をすごした私は、ディープな夜を過ごし未だ起きてこないクルー達を尻目に、雨の中を若者の街、明洞(ミョンドン)一帯をブラブラとショッピング。
 W&Bを考え、軽い韓国海苔を大量にGETした。
 帰国日となる9月20日、折からの前線通過に伴いルート上で大量のCBが発達していた為、空港ロビーで天候回復を辛抱強く待つこと約6時間強。
 安全第一を考え、雨雲のエコーが無くなるまで待機しようとの冨岡リーダーの意見に全員が賛同した。
 気象情報をモニターしながら全機がT/Oするまで、長時間ずっとお付き合い下さった李会長達には感謝に堪えない。
 待った甲斐があり、青空が見え始めた金浦空港をT/O。帰路は長時間インクラウドだったものの、大きな気流の乱れもなく、全機無事北九州空港に帰着できた。  LDG後、写真のように靴の殺菌消毒で自主検疫が行われた。韓国から有害な病原菌を持ち込ませないための措置だが、多くの場合、措置と儀式とは同義語と再認識した。
 昼間に手続きを終えられるはずの我々に、数時間お待たせした係官の皆さんが嫌な顔もせず手続きをして下さったのは、地元での信頼が厚い藤瀬会員のおかげに違いない。
 ライン便で帰路につく会員たちと別れ、引き続きナイトフライトで神戸空港へ向かった3機のクルーたちは、神戸でもまた元気に盛り上がったのだった。

北九州空港に集結、出発を待つ3機の参加機

高度10,000ft よりソウル手前の都市を臨む

これを食べにまた行きましょう。