AOPA-JAPAN Fly In

韓国フライイン参加記
      AOPA-JAPAN 宇都宮 奥貫 博

  昨年に引き続き、今年も5月の連休に、AOPA-JAPANの皆様とスーパーウイングスのFA200で韓国に遠征し、アクロの展示飛行を実施してきました。
 この韓国行きの話は、昨年3月、畑仲事務局長からの「5月に韓国でFA 200のアクロをお願いできます? 」との電話から始まりました。「畑仲さんからの話なら」、ということで深く考えることもなく、「いいですよ」、と返事をしたのですが、その昨年の韓国でのFA200のアクロ飛行展示が好評であったことから、「今年も」、となったものです。
 韓国と日本のAOPAの交流実績と、電話で事が済む空の仲間の信頼関係が、この遠征の背景にありました。
 そのような訳で今年は、日本AOPAからはPA28R-201T、 M20 J、PA 28 R- 201、TB 10の計4機が地上展示用として、また、飛行展示用には、スーパーウイングスのFA 200が2機、計6機、総勢22人でのフライインとなりました。
 韓国遠征とはいえ、世界一周飛行の実績を持つ日本AOPAの皆様と、現地では韓国AOPAの皆様に全てお任せ、というものでしたから、何ら不安無しに、FA 200のアクロ展示飛行に専念出来ました。韓国と日本のAOPAの皆様には、本当にお世話になりました。
 さて、今年は4月29日の夕方、福岡に集合し、ブリーフィングと懇親会の後、30日に韓国入り。5月1日から4日までは、午前・午後各1回のフライトの後、5日には帰国という強行軍です。福岡空港の出国は、クルーと言うことで、AOPAの皆様に引率されて、無事に通過しました。
 FA 200は、JA 3625には4人、JA 3704は3人搭乗で、各人の荷物ですから、フル搭載状態です。このように重い状態では、巡航高度まで上昇するのにどれほどの距離と時間が必要なのか、福岡のようなトラフィックが多い空港からの出発では、管制との意思疎通が出来ていませんと、大変な苦労や、時間のロスが生じます。この辺も勉強になりました。
 今回のG-Global Aviation in Ansan ( 2010International Sky Leisure Expo)は、昨年の国際Sky Leisure EXPOに続くもので、ソウル南方の京畿道安山地区を会場として、4月30 日~5月5日の、計6日間にわたって開催されました。
 イベントのテーマは「青空に描く夢と希望」というもので、内容は小型機及び関連産業の地上展示、パビリオン3館(航空科学教育館・航空宇宙体験館・航空宇宙産業館)、体験飛行、及び、エアショーです。
 開催地、京畿道の金文殊知事によれば、韓国のレジャー航空の環境、制度及び法整備はまだ不十分で、このイベントを通じて空の産業やレジャーへの関心を集め、法と制度の改善を働きかけ、子供と青少年たちに空への夢と希望を与えるようにしたいとのこと。主催は京畿道安山市、主管は京畿観光公社国際レジャー航空組織委員会で、京畿道を中心として小型機 の活動の振興を図り、韓国の航空界の発展への寄与を目指しています。後援には、国際航空連盟(FAI)の韓国組織、文化体育観光部、知識経済部、国土海洋部、空軍本部、大韓民国航空会、航空少年団、航空大学校等が名を連ねた、国を挙げてのイベントです。
 日本からフライインしたAOPAの4 機は観客エリアで地上展示されていましたが、残念ながら、説明用のプラカード等が一切ありませんでした。「韓国と日本のAOPAが力を合せ、韓国の皆さんとの友好のために、日本から、海を越えて飛んできました」と言った、韓国語でのプラカード等があれば、より大きな親善になったのではと思います。スーパーウイングスの2機のFA 200は、フライトエプロンの方に置かれていました。
 エアショーの方は、昨年よりも大幅に充実した、以下の内容で実施されました。
• スベトラナ キャパニナ: スホーイSU-26アクロ飛行
• ポール ベネット : ピッツ S1Sアクロ飛行
• フィル ユニコム : ピッツ S2Aアクロ飛行
• ハビー トルソン : スホーイSU-26 SU-31アクロ飛行
• 奥貫 博 : 富士重工 FA-200-180アクロ飛行
• 大韓民国空軍ブラックイーグル編隊飛行
• 農薬散布展示飛行 : AT-502
• ヘリコプター 山火事鎮火展示飛行
• 軽量航空機編隊飛行: CH601他
 スベトラーナ・キャパニナは、日本でもツインリンクもてぎのエアロバティックスでおなじみの、アクロ飛行の、女性の世界チャンピオンです。今回も、華麗で豪快な飛行を披露しました。ポール・ベネットは、現役のオーストラリア・アクロ飛行チャンピオンで、高度な改良を施したピッツS- 1 を持ち込みました。
ベテランのフィル・ユニコムはピッツS- 1での酔っ払い飛行を披露しましたが、冗談が通じない場面があったようです。ハビー・トルソンは、乗り慣れたスホーイで、会場上空でエンジンのスイッチを切って、プロペラを完全に止め、無動力で背面飛行する等、自由自在な飛行を披露しました。また、ピッツ及びスホーイ、それぞれの編隊飛行もあって、非常に見応えのある内容でした。
 韓国空軍Black Eaglesの演技は、様々な編隊の体系変換が、会場通過後の再進入に向けたハードな旋回中に実施され、間延びの無い演技で、練度の高さが伺えました。
 FA 200 では、アクロ飛行の基本を演技しました。韓国では、以前、FA 200 が使用されていましたが、まだ飛んでいれば、色々教えてあげられるのにと、少々残念でした。
 固定翼の農薬散布機Air Tractor AT- 502は、超低空での水撒布飛行を披露し、ヘリコプターによる山火事鎮火飛行には、林野庁のS- 64 E及びカモフ32 Aが使用されました。軽量動力機とライトスポーツ飛行機(LSA)は、米国等、先進の諸外国と同様な運用を可能とさせる航空法が制定されているとのことで、完成度の高い飛行でした。残念ながら、この分野では、日本の先を行かれてしまいました。
 エアショーの飛行は素晴しかったのですが、フライトした立場からは、韓国の航空協会、小型機の運用ではグローバルな視点と実行力の韓国AOPA、そして飛行を管理する側の間には、解決すべき溝があるように感じました。
 しかし、そのような環境ではあっても、計6日間にも及ぶ小型機の素晴しい空のイベントの開催には、韓国の、前向きな大きなエネルギーが感じられました。
色々有りはしましたが、このイベントに参加させていただいたことへの感謝の気持ちと共に、このままでは日本の先を行かれてしまうとの印象もあり、やや複雑な想いの残る韓国遠征でした。


福岡から4時間半、金浦空港のファイナル


会場の全景(手前側が飛行エリア、奥が展示エリア)

メインゲートでは参加国の国旗で歓迎を受けました


A-200 でアクロバット飛行を披露


現地のHP に掲載されたFA200 の飛行