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第二回関東航空安全会議
    AOPA-JAPAN 広報委員 細谷 泰正

  
  平成22年3月20日アメリカ軍横田基地で第二回関東航空安全会議( 通称:横田カン ファレンス)が行われた。今年1 月10 日に第一回が行われたばかりであるが、今回は 日本の民間機を実際に横田基が実現した。航空安全会議への出席のためとはいえ日本の民間機が横田基地へ着陸を許可されることは異例のことで、第一回の会議に続いて歴史的にも意味のある画期的な会議となった。
 今回の参加機は合計40機。会議への参加者は147人で参加者数は前回を上回った。前回と同様、横田基地に所属する米空軍第374航空団が主催者となり会議が行われた。横田空域と横田ラプコンについて理解を深めるためには実際に航空機を飛ばして横田ラ プコンと交信することが重要である。第一回横田カンファレンスの計画段階からフライイン形式の会議は検討されてきたが、第一回会議の成功が高く評価されたため米軍司令部から着陸許可が下されるに至りフライイン形式の会議として実施された。
 参加希望の航空機が多く、想定した機数を上回ってしまったが何とか希望した全機の参加が許可された。
会議当日3機のキャンセルがあったため実際の参加は40機となった。これには2機の回転翼機と2機のモーターグライダーが含まれている。
 多くの機体を安全に着陸させ、そして離陸させるため3分間隔の予定が組まれた。さらに着陸進入コースは通常の民間機のものと異なる軍用機のパターンが使用され、初めての横田基地への着陸に際して軍用機の進入経路が理解できるよう配慮された。
 会議の主題として前回のように横田管制チームによる横田空域と横田ラプコンについての講義が第374作戦支援中隊により行われた。前回、横田基地に所属する各部隊から各飛行隊の航空機とその運用に関する説明が行われたが、今回は米海軍厚木基地と米 陸軍キャンプキャスナーより講師が派遣された。
 厚木基地の第5空母航空団からは同基地をベースにする空母艦載機飛行隊の編成、使用航空機、各機種の飛行速度、高度とともに厚木に発着する際の飛行経路などが説明された。
 陸軍からはキャンプキャスナーから第78飛行大隊の回転翼機の飛行経路や他の基地をベースに運用されている固定翼機の運用状況などが説明された。さらに、横田基地で小型機を使用して飛行訓練を行っている横田アエロクラブより、同クラブの活動の概要と横田基地から訓練空域へ往復する時の飛行経路などが説明された。
 講義の後、帰路の飛行計画のために最新の気象情報、NOTAMなどが配布されたが、当日は午後から次第に天候が悪化することが予想されており、特に風が強くなりつつあったため会議は予定を多少早めて閉会式に移り午後2時半ごろ終了した。
 2回の会議を通じて深く感銘をうけたことは、航空安全に対する米軍側の積極的かつ献身的な姿勢である。米軍内部でも計画段階から多くの手続きを経て会議の開催と民間機の乗り入れ許可が下りている。
多数の自家用機が米軍基地へ着陸を許可されるのは極めて異例といえるが、これはできるだけ多くの自家用機パイロットに安全会議への出席を促すための措置として実行された。多くの小型機を限られた時間帯の中で安全に着陸させそして離陸させるために何度も打ち合わせが行われ綿密な着陸、離陸スケジュールが組まれた。詳しい飛行手順書も新たに作成され配布された。丁寧な内容の日英二ヶ国語の資料であるが、今から思うと期限に追われて完成させた担当者各位の力作と思う。これら全ての作業にあたり横田基地に所属する各部隊をはじめ、基地内で小型機の飛行訓練を行っているアエロクラブも惜しみない協力を提供してくれた。こうして40機もの航空機が初めて横田基地に飛行することが可能になった。
 前例のない会議から得られた成果も大きかった。
会場に集結した参加者は軍人、民間人、さらに国籍の違いはあるものの、全員が同じ関東空域を飛行するパイロットであるという連帯感を醸成することができたと感じている。空の安全は一つの空域をお互いに譲り合って飛行することで初めて達成される。今回はパイロットのみならず、管制チームも一丸となって安全に対する意識の向上を図ることができたことは大きな成果である。
 先述のように、巨大組織でありながら航空安全の向上のために前例に拘らない姿勢で惜しみない努力を払ってくれた米空軍第374航空団と在日米軍司令部に敬意を表したい。日米安保50周年を迎えた節目の年に日米合同の航空安全会議が開催できたことは記念すべきと思う。今年の二回の安全会議を礎として今後も在日米軍との連携を続けて航空安全の向上とGAの発展につなげてゆきたいと考える次第である。